【事例記録】高校3年男子生徒の母親からの相談
【事例記録】
高校3年男子生徒の母親からの相談
日付
2025年5月14日
相談者
母親
対象
高校3年生 男子(本人は相談に直接関与せず)
相談の概要
母親からの電話相談。対象となる男子生徒は高校3年生で、
現在は学校に通っていないが、自動車学校には通っており、
地域の企業への就職もすでに決定している。
家族構成は父、母、姉(成人)との4人家族。父親は厳格な性格で、
子どもたちへの接し方も厳しく、家庭内の関係はあまり良好ではないとのこと。
母親は、現在の男子の様子や将来に対し強い不安を抱いており、
それが自身の精神的安定を妨げていると訴えていた。
家庭背景と本人の状況
- 父親は寡黙で、仕事から帰っても家族との交流は少なく、
酒を飲むことが多い。暴力はないが、明るく積極的な関わりは見られない。
- 家族全体として、自己主張が少なくエネルギーが弱めな印象を受ける。
- 本人は、友人関係・家族関係ともに希薄で、
積極的な印象はないが、物静かで穏やかな性格の青年。
- 学習や運動においても目立った活動はなく、
小・中学校時代に不登校の傾向があったわけではなく、高校に入ってからの変化。
支援・対応
母親とは数回にわたって電話で話をした。
その中で、母親は繰り返し「どうすればよいのか」と悩みを口にしていたが、
答えが見つからず、かえって不安を増幅させていた。
話を聞きながら、母親の不安を受け止めることに重点を置いた。
最終的に母親は、「がんばってみます。また困ったら電話します」と語ってくれた。
以後、連絡はないが、これは一つの安定の兆しと捉えることもできる。
なお、母親は具体的に「何をがんばるのか」には触れていないが、
自らの中で何らかの前向きな変化があったことは明らかである。
その変化を肯定的に受け取りたい。
所見
この家庭では、父親の性格的な特性が家庭全体の雰囲気に影響を与えており、
母親もその空気に染まる形で生活してきた。母親の相談を通じて、
家庭のあり方や子どもの姿が浮かび上がってきた。
大きな問題解決はできなかったが、母親が「がんばってみよう」と口にしたこと、
そしてそれが自発的な意志であったことは非常に大切である。
母親の中で小さな「変化」が芽生えたことに希望を見出し、
今後につなげていきたい。
備考
現時点で母親からの追加連絡はない。
家庭や本人の状態については引き続き見守る姿勢が望ましい。
必要があれば、再度の連絡や支援を受け入れられる関係性は構築できている。