T君との出会い
2024.10.22

出会ったころのT君
私は小学6年生のT君と担任として出会うことになった
当時、T君は不登校の傾向があり、学校に通うことに困難を感じていた
彼は朝なかなか起きることができず、夜遅くまで起きている生活リズムが続いていた
振り返ってみると、朝起きることができなかったのは、
単なる生活習慣の問題だけでなく、
精神的なものが影響していたのではないかと思う
T君の家庭環境
T君の家庭環境もまた、彼の不登校傾向に影響を与えていたように感じる
母親は精神的に不安定で、家庭内でもその影響が現れていた
父親は公務員として働いていたが、家庭内での子どもたちへの関心は薄く、
特にT君との対話もほとんどなかったと記憶している
T君には成人した姉がいたが、すでに家を出て自立していたため、
家族の中での支えは限られていた
T君の母親
T君の母親は、夫である父親の意向に従うことが多く、
家庭内で自分の意思を積極的に示すことはなかった
身なりにもあまり気を遣わず、時には娘のお下がりの服を着ることもあった
しかし、その服は年齢にそぐわないものが多く、
彼女の精神状態を物語っているように見えた
母親が家庭内で子どもに対して何らかの意見を述べたり、
指導するような姿はあまり見られなかった
担任
そうした家庭の状況を背景に、私はT君の担任として関わることになった
T君は遅刻や欠席が続き、その対応は主に家庭訪問を中心としたものとなった
朝、出勤前にT君の様子を確認しに行くことが日課となったが、
彼が寝ていることも少なくなかった
母親には子どもを指導する力がなく、頼ることはできなかった
父親はすでに出勤しており、家庭内での教育力は非常に低い状況だった
関わり
T君が学校に来ない場合、午前中の空いた時間を利用して彼の家を訪問することが増えた
学校から家までは約10分の距離であったため、
比較的頻繁に訪れることができたが、
訪問しても鍵がかかっていて家に入れないことも少なくなかった
それでも、できる限りT君とのコミュニケーションを図ろうと努めた
T君は学校で問題行動を起こすこともあり、
放課後に話し合うことも多かった
また、家庭訪問を重ねる中で、
彼の心情や家庭環境を少しでも理解しようとした
しかし、最終的には約40日の欠席と遅刻を重ね、T君は卒業していった
不登校傾向が完全に改善されることはなく、
その点については非常に残念に思っている
おわりに
T君の家には、何日通ったのだろうか
数えきれないほどの訪問を通じて、彼とのつながりを築こうとしたが、
果たしてどれほどの信頼関係を構築できたのかは定かではない
ただ一つ確かなことは、私は本気でT君に関わっていたということだ
当時の私にとって、それは教師としての使命感であり、
今も変わらぬ信念である
実は、少し前に大人になったT君に再会する機会があった
彼は大人になったものの、どこかあの頃の面影を残していた
その顔を見たとき、過去に彼と過ごした時間が蘇り、
あの時の自分の努力が少しでも彼にとって意味のあるものだったのか、
考えずにはいられなかった

御坊市及び勤務校の実態を含めて考える
かつては、子どもの「怠学」という問題がありました
怠学とは、学校を怠けて休むことです
学生が意図的に、学校を休み遊んでいるイメージ、
ドラマや映画のシーンで見たことがあると思います
これが怠学です
小学生の怠学もあり得るのですが、子どもが意図して学校を怠けるということよりも
この「怠学」には、親が十分に子どもを育てず、世話を適切に行わない、
子どもの面倒を見ない、具体的には、夜は早く寝かせて、朝起こし、
朝食を食べさせて学校に行かせるという生活の流れです
私たちの地域・御坊市では、
この生活の流れが子どもに身に付いていないために起きる
子どもの「怠学」、
親の怠慢による子どもの遅刻や欠席が多く見られていました
この意味での「怠学」が地域の大きな社会問題でだったのです
子どもの責任を問えない「怠学」による学力低下も大問題です
そこで、基礎学力といわれる「算数の計算」を長年にわたりサンプルを取り
分析を行ってきました
「日高地方算数数学学力調査」です
これは、国が行っている学力調査ではなく、
教師達が自ら課題を見つけ取り組んでいく
自主的に行っていた学力調査です
私たち日高地方の教育における歴史的財産ともいうべき調査です
学校内でも独自に学力調査を漢字の習得等を含めて行ってきました
「基礎学力」に拘って取り組んでいました
「怠学」が続けば年間の欠席が30日を超え、不登校の児童生徒としてのカウントに入ります
普通にといってはおかしいのですが、
純粋に子どもは病気の欠席は少なく、一月に1日の欠席で年間12日の欠席は多いです
毎月1日の欠席児童は、本当に少ないのです
30日となると、一月に約2~3日の欠席になります
この一月の欠席は、生活習慣の問題を抱えていると簡単に超えてしまいます
遅刻が多く、朝の出席を確認し、そこから担当教員が家庭訪問して
寝ている子どもを起こし、学校に促す
これでも不十分な場合(かなり遅刻が多い)は、
担任が7時ごろ学校に行く前に家庭訪問する場合もあります
私もルーテインとして行って来ました
一月に3日休むという場合は、対策として取りづらいケースです
多いのか少ないのかが微妙です
それでも年間にすると30日間の欠席になってしまう
30日とは、1か月に当たります
これ、子どもにとって大きいですよね
欠席が子どものに与える影響が非常に大きいことは
十分に理解できることです
しかし、不登校に陥ってしまっている子どもにとっての
欠席の問題は、対策として同じようには考えて進められません
不登校は「怠学」ではありません
「T君は、境界線にいた」
T君は、怠学なのかそうでないのか?
不登校傾向なのか?
私は、不登校傾向であると判断します
学校に行きたくないと思ったこともあるでしょう
足が進まないということもあったでしょう
いつ寝たのか、生活習慣も気になります
遅くまで起きていると、朝起きられないのは当然です
生活を共にしているわけではないので、直接に見ることができません
私たち教員は、家の中から様子を見ることができず
本人や家族のがんばりを支えていくほかはないのです
私たちの「何とかしたい」という思いは、よかれと子どもを思う気持ちです
保護者との価値観が同じであればいいのですが、
それもなかなか難しい問題です
T君の母親は、精神的に課題が見られた
年相応ではない娘の(T君の姉)お古の服を着ていた
少なからず母親の影響はあったと考えます
「家族や社会、様々な影響を子どもが受ける」
改めて私たちは、学校のあり方を含めて教育という
子どもにとってかけがえのない、子ども自身の将来に関わるものを
見直し考えていくことが大切な時期であると考えます
このように、多くの子どもたちが学校に
行けないでいる時代ですから、、、
メンタルオフィスKaze代表
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