子どもを不登校にしない親の心得とは
2025.05.07

「子どもが不登校にならないか?」
「不登校の子どもが多くなっていると聞くが」
「家の子は大丈夫か心配だ」
「学校の様子はどうだろうか」
これは、親の共通した意識ではないでしょうか
もちろん、不登校児童生徒数は増え続けている現状にあります
子どもたちの中で一定数が不登校に陥っているのは事実です
あなたのお子様が不登校にならない保障はありません
不登校にならないまでも、不登校傾向を示すことが
どの子にもあります
子どもも人間ですから、
学校に足が向かないこと、友達との関係、勉強のことなど
多くの悩みを抱えながら、解消しながら学校に通っています
今回は、家庭でできることとして、
できること、心がけたいことを書いていきます
家が安心できる場所であること~子どもが「もどってこられる場所」をつくる~

安心できる場所づくりは、あなた(親)のできることです
できないことは無理ですよね
学校を変えることは親には難しい困難なことです
でも、家庭はそうではありません
「できる」ことが、親の強みです
子どもにとって家が安心できる場所であるかどうかは、
不登校問題だけではなく、非常に重要です
何かあったときに「戻ってこられる」場所という意味でも
とても大きな意味を持っています
家は子どもや家族にとって安住の地であることが
何より大切であることは、誰もが認めるところです
ところが実際は、必ずしもそうなっていないと思われます
誰でも自分の家庭で育ってきます
様々な思いが、家庭にありますよね
学校でうまくいかなかった日、人間関係でつまずいた日、誰かに否定された日、
そんなときに、あなたならどこに帰りたいですか?
誰に会いたいですか?
「家に帰れば大丈夫」と思えるかどうか
子どもにとっては、親の言葉や態度が、子どもの避難所をつくります
1.親が「正しさ」より「安心」を優先する
子どもがつらさを口にしたとき、ついこんな言葉で
「あなたにも原因があったんじゃない?」
「それくらい我慢しなきゃ」
このように言ってしまいそうになりますよね
でも、その言葉は"解決"ではなく"否定"に聞こえます
あなたならどんな言葉を掛けてもらいたいですか
否定されるために話をしますか?
しませんよね
親は、教育として指導しようという立場で、正論を述べてしまいます
あなた自身の気持ち、思いが「コツ」ですよね
よくこの失敗があると思うんです
まずは、指導ではなく
「つらかったね」「話してくれてありがとう」など共感してほしいですよね
受け止めるだけでいいのです
正しいアドバイスもある、親として言いたい
当然です
あとで子どもが求めたときにすれば十分です
「言葉って難しい」
2.家庭では「がんばらなくていい」時間を作る
毎日がんばっている子どもたちにとって、
「リラックスできる場所」であることが家庭の役目です
家でも、次々と子どもを急き立てるように声かけをすることはありますよね
毎日の生活の中では致し方ないと思います
難しいことですが、
宿題が終わっていなくても、ご飯の前にスマホを触っていても
「今、この子にとって必要な休息なのかも知れない」と、
一歩引いて見守ってください
「余裕を持って子どもを見る」
3.親の機嫌が「子どもの安心」に直結している
あなたも経験があるでしょう?
家庭内で気をつけたいのは、「親の機嫌」です
特に母親の表情や声のトーンが、子どもにとっての
「家の空気」を決めることがあります
もちろん親はいつも笑顔でいられるわけではありません
でも、
「イライラを子どもにぶつけない」「疲れているときは正直にそう伝える」などで
子どもの信頼と安心につながります
家の空気は子どもの安心につながり大きいですよね
「家の空気をつくる」
4.「家庭が一番安心」と感じられる小さな工夫
目的は、子どもに家庭が一番安心であることを感じさせるためです
甘やかそうというのではありません
例えば
・子どもの好きな食べ物をそっと用意する
・会話がなくても、一緒に過ごせる時間を意識する
・失敗しても笑い合えるような空気を意識してつくる
こうした積み重ねが、子どもにとって
「家は、味方がいる場所」
という安心感につながっていきます
「子どもが感じることがねらい」
""必要なことは、完璧な親になることではなく
「味方でいよう」とする気持ちを伝えること"
それが、子どもが自分を信じられる力につながり、
不登校を防ぐ土台にもなります
話を聞く親であること~「聞く」は「受けとめる」の第一歩~

子どもが学校での出来事や悩みを話し出す瞬間は、親にとって「チャンス」です
親は、学校の様子を聞きたいものです
それは、親にとって学校の様子を知るすべが少ないからです
親は学校の様子を知りたいのです
しかし、どうだったこうだったと、子どもに聞くことはできません
子どもが
「学校でどう過ごしている」
「しっかり勉強している」
「友達と楽しく過ごしている」
「困っていないのか」
あなたも知りたいですよね
子どもが自ら話そうとしたときに、
どんなふうに受けとめるのかが、大きなポイントになります
その後、「また話したい」と子どもが思うために
1.アドバイスより「共感」を
ついついしてしまいそうになるアドバイス
子どもが悩みを話し始めると、
親としては「解決してあげたい」という当然の気持ちが働きます
でも、子どもが話す理由、本当に求めているのは「どうすればいいか」ではありません
「わかってもらえた」という安心感であることが多いのです
例えば、「友達に無視された」というつらい気持ちを打ち明けられたとします
「そんなの気にしなければいい」と返してしまいそうですよね
そこでは「それはつらかったね」と一言寄り添うだけでよいのです
子どもの気持ちはぐっとほぐれます
「子どもの悩みを、解決しない」
2.話すタイミングは子ども任せで
学校の様子が聞きたくて、子どもとの話題をつくりたくて、
「今日は学校はどうだった?」よくある親の発言です
でも、子どもによって、学年が上がるに従って
子どもは話をしなくなっていくのが普通でしょう
そんなときは、
聞きたいことがあったとしても、無理に聞き出そうとせずに、
子どもが話し始めるのを待ちます
「話さなかったらどうするの?」
疑問があると思いますが、チャンスも巡ってくるものです
子どもの話すタイミングは、寝る前、車の中、お風呂など
「ながら」の時間が多いです
子どもも、改まったタイミングでは話しにくいものです
このような積み重ねで、より子どもは話をしやすくなっていきます
子どもは
「話したい」のです
あなたのその瞬間の反応は、
「ちょっと待って!」
ではありません
スマホや手を止めて「耳と心を向ける」ことです
時間は戻ってきません
「子どもが話すときは、きっとくる」
3.「否定しない」安心感が、次の会話を生む
では、子どもが話をしてくれました
勇気を出して子どもが打ち明けたとします
「それは間違っているよ」といきなり壁をつくられたらどうですか?
あなたなら、どんな反応を求めたいですか?
わざわざ否定されるために話はしませんよね
そうです、まずは聞いてほしいのです
味方であってほしいのです
だから、内容に納得できなくても、指導する立場で反応するのではなく
「そう思ったんだね」と、受けとめてください
その上で、「ママはこう思うよ」と自分の考えを添えてください
ねらいは、子どもが話をしやすくなることで、
教育することではありません
大きな視点で言えば、教育、子育てになっていきます
「まずは子どもが話をする気にさせる」
4.「話してよかった」と思える環境を重ねる
この項でも、何が大切か分かってくれたと思います
目的やねらいをしっかりと持ってぶれないことです
「話しなさい」といって子どもが話すようにはなりません
親も子どもに「話させるスキル」を磨く必要があります
「話すこと」=「安心すること」です
「聞いてもらえる」経験を重ねるほど、心は強くなります
自分の思いを整理したり、他人との関係も上手に築いたりできるようになっていきます
「話すこと」とは、実は子どもの自己肯定感を育てる、
最も身近で強力な支援となります
「聞くことこそ最強の子育てと心得る」
子どもの話を「聴く」ことは、特別な技術ではありません
忙しい毎日の中で、ほんの数分でも心を向けるだけで
子どもは、「見守られている」と感じます
それが、不登校という状態からも遠ざかる大きな力になるのです
「言葉はいらない」
多くを語らなくてもよい、そんな関係にもなるかも知れません
親も完璧をめざさない~「できない」からこそ、子どもに寄り添える~

子どもを不登校にさせないために、
親は何かをしてあげらればと一生懸命になります
でも、その一方で、「自分がもっとしっかりしていたら...」
「こういうとき、どう接すればいいのか、よかったのか」と
自分を責めてしまうお母さんも少なくないのです
親の対応や自身が完璧であることが、
本当に必要なのでしょうか?
1.子どもにとって大切なのは「正しさ」より「安心感」
親が完璧でなければならないと思った時に、
しんどくなってしまうのは
だれでしょうか
子どもと親ですよね
子どもは、親が正しい答えを持っているよりも
望んでいることは、
「わかってくれる」こと
「一緒に悩んでくれる」ことです
親が迷いながらも誠実に向き合ってくれる姿は、
子どもにとってどれだけ頼りになり安心できるか分かりません
親も迷うし失敗もする
それを隠さず見せることが、子どもにとって
「共感の土台」になります
子どものことを必死で思っている親ですから、
伝わりますよね
2.失敗しても、あとから「ごめんね」
とは言え、親も様々な環境の中で生きている以上、
子どもへの発言が感情的になってしまうことがあります
誰でも当然ありますよね
つい感情的になって強く叱ってしまった時、
「言わなければよかった」と
後悔することがあります
そこで、子どもに謝ることができる親であることが大切です
「ごめんね」の一言を子どもにかけられる
そんな親でありたいです
素直に謝れる親の姿勢は、
むしろ子どもとの信頼を深めることにつながります
「いいよ」と、子どもも声をかけてくれることは間違いはないです
言葉ではなくても、心の中でつぶやいていることでしょう
完璧を装うより、間違いを認められる親の方が、
子どもにとってずっと素敵で安心できる存在です
親もしんどいときはお休み
親もつかれたら無理せず休んでください
「疲れてるかな」子どももそう感じます
理想的な親象に近づこうとはしないことです
失敗をする親
「ごめんね」と謝る親
そのままのあなたで、十分子どもにとって
「必要な親」です
「学校に行けている」ことを当たり前とは思わない~小さな一歩に心を寄せる~

「子どもが学校に行く」
当たり前のように感じますが、大変なことを子どもたちは行っています
仕事でもそうですよね
気が乗らないとき
大変な仕事に携わっているとき
職場の人間関係に問題があるとき
仕事がうまくいかなかったとき
登校することには
体調や気分
人間関係
教室の雰囲気
勉強のこと
など、たくさんの要素が関わっています
特に繊細な子や自分の気持ちに正直な子ほど
学校という場で感じるストレスはとても大きいです
そんな中で子どもは学校に行っている
「子どもはいつも元気」
このような幻想があるのではないでしょうか
学校だけの問題ではありません
家庭の様々な問題も子どもが学校に行く意欲に影響を及ぼします
家庭の環境も育てられ方も子どもに与える影響は大きいです
1.「毎日行ってえらいね」そうなんですよね
大人にとって「普通に学校に行っているだけ」と思えることも、
子どもにとっては毎日が小さなチャレンジの積み重ねです
「今日も行ってきたね」「疲れてない?」など
そんな声かけをしたいですね
「当たり前」で片づけてしまうと、子どもが感じている葛藤や努力に
目が行かなくなります
2.「行けていること」に焦点を当てすぎない
逆に、「今日も学校に行った?」「ちゃんと行きなさい!」と、
毎日の登校にばかり意識を向けると、子どもはプレッシャーを感じます
「今日は休みたい」と感じる日もあるでしょう
「なんとなくしんどい」こともあります
こんなときに、学校にフォーカスしすぎると、疲れますよね
もちろん「学校に行ってもらうために」の話であることが前提です
仕事もそうですよね
大変です
学校に行っているかどうかだけが、価値を決めるものではない
そんな柔らかな気持ちを子どもに持たせるようなメッセージを
届けたいですね
また、学校に行っていれば何も問題はない、ではないのです
登校しているからといって
心が元気ではない
教室で孤独を感じている
友達との関係で悩んでいる
勉強のことで悩んでいる
ことも考えられます
親として「元気そうに学校に行っているから大丈夫」
と、思い込まずに小さな変化に目を向ける姿勢が必要です
「帰ってきたときの表情が硬い」「最近よくため息をつく」
そんなサインを見逃さないで、
ふとしたときに声をかけられる余白を持っていたいですね
「学校に行くこと」は目標ではなく、
「その子らしく安心して過ごせる日々」の結果です
そのことに心を寄せて子どもを理解し接していきたいですね
一緒に笑える時間を大切にする~心の距離は笑顔がつなぐ~

私たちは、日々の忙しさに追われて生活しています
生活するのが一生懸命で、ついつい忘れてしまうこと
それが「笑顔」ではないでしょうか
そして、時々、自分は難しい顔で日々過ごしているのではないか、
そう気がつくことがあるのではないでしょうか
子どもにあなたの笑顔を見せていますか?
親の笑顔ほど子どもを
「勇気づけ心を強くやさしくしなやかに育てていくものはない!」
そして「一緒に笑う」ことは、
親子の心をつなぐ信頼関係を育てる大切な時間です
1.笑顔は子どもにとって「安心」のサイン
家庭の役割は、子どもにとっての最もリラックスできる場であることです
家庭の中で「笑える」ことは、安心感の象徴ですよね
笑い、笑顔のある家庭、最高ですよね
「親が笑ってくれる、冗談が通じる、一緒に笑える」積み重ねが
子どもの心をふわっと緩めます
緊張した表情やピリピリした空気では、子どもは本音を話せません
親が笑っていると
「今は話しても大丈夫かな」「安心して甘えていいんだな」
と、子どもの心は緩やかに開かれていきます
「そんなに笑って生活ばかりしていられないよ」
確かにそうですよね
できる限りトライしてみてほしいと思います
2.笑顔が「困った」と言える関係をつくる
理想ですが、
親と笑い合えることができている子は、
困ったとき、悲しいときに親に、
「ちょっと聞いてほしい」と言える子になります
親に話すことのハードルが低くなります
これは、想像に難くないですよね
あなたも、悩んだとき、嫌なことがあったとき
相手と話しタイミングを計っていると思います
子どもも同じです
深刻な話ばかりしている親よりも、
「受けとめてもらえる」と思える親の方が話しやすいですよね
不登校のサインは、言葉に表れるとは限りません
でも、一緒に笑っていれば、
子どもの心のSOSに気づける場面はグッと増えていきます
笑う時間、あなたの笑顔は、親子の絆を育てる最高のスキンシップ
笑い、笑顔は、心のクッションです
疲れて帰ってきたとき、ちょっとイライラしているときも
笑った記憶と笑顔が子どもの心をそっと守ります
無理に学校に行かせようとしない~「行かせる」より「気持ちにより添う」~

ついついこんな声かけをしてしまいそうになります
「学校に行かないの?」
「みんな行ってるよ」
「どうしたの?いけないの?」
「行ってみよう!」
もちろん背中を押すことは大切です
何でも気持ちにより添ってしまって、
「行かせる行動」を後押ししないのは問題です
子どもの状態によりますので、この判断は難しいです
見極めは大切ですが、
押すばかりでは効果的ではありません
本当に行けない場合は、
子どもにとってつらい思いにしてしまうこともあります
「行くように背中を押す」こと、
「引くこと」もあること、
を、両端を踏まえておくようにしてほしいと思います
1.学校に行けないは、甘えではない
不登校の背景には、友人関係の悩み、勉強への不安
教室の雰囲気など、切実な思いがあります
非常に難しいですが、
「サボりや怠け」「わがまま」と決めつけてしまうと
子どもはますます心を閉ざしてしまいます
子ども自身「行きたいけど行けない」と思っていることもあります
「無理に行かせる」ことは必ずしもその子のためにはなりません
実際に多くの子どもたちが不登校に陥っている事実を踏まえ
自分の子どもが不登校に陥っても不思議ではないとの認識を
持っておくことが大切です
しかし、腫れ物に触るような対応もよくありません
子どもの性格や学校、
家庭の環境など総合的に判断していくことが
どうしても必要となります
今まで述べてきた子どもとの関わり方が
重要となってくる場面です
2.まずは「なぜ今、行けないのか」を子どもと考える
子ども自身も「なぜ自分が」と思っている可能性があります
「なぜ」「なぜ」「なぜ」と質問形式で詰めていくと、
子どもはさらに抜け出せない迷路に入ってしまい、
責められているように感じてしまう場合があります
あなたの目的は
「子どもを学校に行かせる」ことではなく、
「子どもの気持ちの様子を解きほぐし、問題を解決に向かせる」
ことにあります
子どもの気持ちが自分の思いを話す状態が整っていくまで、
まずは寄り添いながら問題を親子で整理していきましょう
3.遠回りに見えて、近道になることもある
「遠回りに見えて近道」
これは、私が心がけてきたことです
ぜひ、あなたも心がけてほしいと思います
「学校は行くもの」「行かせなければ将来が心配」
焦って無理しても、
帰って子どもの心に深い傷を残してしまうこともあります
家庭やお母さんが「子どもの居場所」になるように
待つ勇気を持ってほしいです
次第に雪が解けるように、子ども自身が
「また動き出してみよう」と思うようになっていくように
あなたも構えを大きくしてほしいです
子どもが学校に行けない日があっても大丈夫です
子どもが学校に行きたくないと、
親がハラハラドキドキすること、
ほとんどの親が経験すると
言っても言いすぎではありません
不登校になるまでも行かない
不登校傾向もあります
友達とうまくいかなくて
月曜日の朝、学校に行きたくないこともあります
あなたが取り乱しては何もなりません
「遠回りだが近道」で、慌てず焦らず行きましょう
まとめ~困ったときは、一人で抱え込まない~

不登校問題は「子どもの問題」ですが、
まずは、あなたができることを考えます
「このままでいいのかな」
「育て方が悪かったのでは」
「誰と相談すれば」
「学校で問題が?」
「いじめられているのではないか?」
すべての問いに、あなた自身が答えることはできません
そんな中で、親も大きな不安を抱えてしまいます
もう一度言います
「不登校の問題で悩んでいるのは、あなただけではありません」
「むしろ、誰にでも起こりうる身近なことです」
他人に「知られたくない」こともあるでしょう
しかし、あなたが疲れてしまうと困ります
以上書いてきたことは、簡単ではないことばかりです
言葉では言えますが難しいことです
学校や担任の先生には、子どもの様子についての確認など
知らせることが必要です
相談しながら進めていくことを双方向的に行うことが大切です
あなたの話を聞く、あなたの悩みに対応することは
できないと考えられます
あなたにフィットする相手、関係機関、カウンセリングなど
自分に合ったところを見つけてください
遠慮はいりません
話を聞くのが仕事の機関です
ぜひ見つけてあなたの心のケアをしてください
必ず道が開けていきます
