「学校に子どもが行くのは当たり前」
「親は、子どもを学校に行かせることは当たり前」
「学校は義務教育だから」
もちろん分かっています
そうでしょう?
子どもに、学校に行くのは何のためか聞くと、
ほとんどの場合「勉強のため」と答えます
他には?と聞くと
「将来のため」と答えます
子どもは、勉強が将来の自分のためであることを知っているのです
しかし、どのように自分に役に立っていくのかまでは、理解していません
子どもによっては、「自らと勉強」との関係にプレッシャーを感じてしまうのです
今回は、子どもがどのように「勉強」と関わっていくか、
どのように関わらせていくか、不登校の原因になるケースも含めて
考えていきます
勉強をどう考える?
文部科学省の調査でも不登校児童生徒の数が急増しています
子どもが「学校に行きたくない」と言い出したとき、
あるいは、不登校の傾向が出てきたときに、親や教師が直面する問題の一つが
「勉強」についてどう向き合うかということです
4年生になると抽象的な学習が多くなり、子どもにとって困難な内容が増えていきます
勉強が楽しいという感覚よりも「戦う相手が強くなった」
そう思うでしょう
小学生の間は、難しい内容の学習に直面してもがんばるのが子どもです
子どものがんばりや克服する力には、驚かされることも多くあります
子どもが学校に向かうことにしんどさを覚えるようになったら、
原因は様々ありますが
「勉強が難しくておもしろくない、楽しくない」ことも考えられます
そして「学校に行かない=勉強が遅れる」という焦りを抱えてしまうこともあります
これは、子どもだけではありません
親も勉強が遅れてしまうことを心配になりでしょう
焦りが強すぎると、かえって子どもにプレッシャーを与えてしまい、
状況を悪化させる可能性もあります
このような場合、親はどのような対応を取るべきなのでしょうか?
「勉強」を今やらねばならない課題と考えるか
それとも、しばらく猶予のある課題であると考えるのか
考え方により変わってきますよね
学校に行かない理由を理解する
子どもが学校に行きたくないと感じる背景には、さまざまな理由があります
1つのことで行きたくないというより、
非常に複雑で絡み合って多くの要素が包含されていると考えるべきでしょう
しかし、その複雑な絡み合った糸を解いてくように、少しずつほぐしていくことが
子どもの原因に収斂していくことになります
そして、それは最初から一気に行くものではありません
例えば、背景の一例として
対人関係のストレス
子どもにとって友だちの関係、友だちの存在は非常に大きいものです
学校に楽しく行けるのかそうでないかは、
友達と良好な関係を築いていけるかどうかが問題です
しかし、学校というところは、
どうしても人間関係でトラブルの絶えないところです
毎日のように子ども同士のトラブルがあります
これは、「良くない」こととばかり捉えるのでは
学校が多くの子どもたちを集合させて学級集団として
生活していく価値を見いだすことはできません
いかにすれば人との関係を築いていけるのか
トラブルを解決するのは、どうするのか
それは、お互いの話し合いであること
どのように話し合いで解決していくのか
相手の気持ちを考えること、など
学校は人間関係における大切なスキルを学ぶことができるのです
大切な学びを踏まえながらも
学校にいる大人・教師も子どもにストレスを与える存在になることを
十分に理解することです
友達とのいざこざや教師との関係が原因で、
学校という環境そのものを避けたいと感じている場合があります
学業のプレッシャー
授業についていけない、宿題が負担、
テストの点数への不安など、
学業そのものがストレスになっていることもあります
今日のテーマは、勉強です
もちろん中学校、高等学校と上がるに従って
学習する内容は行動になっていきます
小学校でも4年生になると抽象的な思考が要求される時期に入り
学習は難しくなっていきます
学力の差が出てくる時期です
学校は、多くの時間を学習に費やしています
がくしゅうないようが、子どもにとって分からないものであれば
授業時間が苦痛な時間になってしまうことも考えられます
体調や精神的な疲労
疲れや不安感から登校するエネルギーが湧かない場合も少なくありません
子どもも一人の人間です
毎日の生活の中で疲れることもあります
子どもの疲れは、あまり考慮されないのでは無いでしょうか
できないことでも、苦手なことでも、未知の世界へ飛び込んでいくことは
子どもの世界では毎日では無いでしょうか
そんな不安の中で子どもが生活していることも理解する必要があります
これらの様々な原因を見極めることが、
不登校への対応で必要です
勉強が大変なら、
どう勉強にアプローチさせるかを
考えることが大切な第一歩になります
家庭での学びを再定義する
仮に不登校になって学校に行けなくなっても
学校に行けないからといって、
学びが止まるわけではありません
勉強はどこででもできるのです
そんな気持ちを持って、学校でなければ勉強はできない、ではなく
家庭での学びを柔軟に再定義することが重要です
1. 子どものペースを尊重する
学校では、日々時間割に沿って学習が進みます
しかし、
学校のスケジュールや内容に縛られず、
子どもの興味やペースに合わせた学び方を取り入れることで、
勉強へのハードルを下げることができます
子どもは、学習内容へのプレッシャーを感じています
そんな中ですから、
ゆったりとした穏やかな気持ちで、
ひとつひとつ学習を進めていけるように
計画していくことが大切になります
勉強は辛いものではないということを
感じさせていきたいです
例えば、興味のある本を一緒に読んだり、
教育アプリを活用してゲーム感覚で学ぶ方法があります
2. 生活の中に学びを組み込む
勉強は必ずしも机の上で行うものではありません
学びを広げていき、子どもの興味関心をたかめていくことが
これからの学習への意欲に繋がっていきます
料理をしながら計量カップを使って数学を学んだり、
散歩中に植物の名前を調べることで、
自然と学びを深めることができます
学校での勉強には繋がらないと思われるかも知れません
学ぶ方法や学ぶこと知ることは楽しいことであることを、
教えられることよりも、学ぶ楽しさを感じる経験は
必ず子どもの将来にプラスになります
3. オンライン教育を活用する
学校に足を運ぶ以外にも、
ICTを活用した方法が現在では発達してきています
これらのことにより、学校でなければ学べないことはありません
インターネットの発達のより世界中の様々な講座を視聴することもできます
英語の学習でも何でもオンラインで学習できる時代になってきました
学校に行けない期間でも、インターネットを活用すれば
様々な教育リソースにアクセスできます
YouTubeや学習アプリ、オンライン教材などを活用することで、
自宅でも多様な学びが可能です
YouTubeは、子どもにも身近になっています
しかも無料で視聴可能です
是非活用して学びに行かせてください
勉強だけが人生のすべてではない
「勉強だけが人生ではない」
こう言ってしまうと勉強をあきらめているように感じられるかも知れません
しかし、どうでしょう?
勉強がすべてでしょうか?
勉強が遅れてしまう
勉強をどうしよう
将来勉強がついて行けないようになってしまうのでは、、
このような強迫観念に支配されてしまうと、よい結果が生まれていきません
まずは、「勉強がすべてではない」「勉強はいつでもできる」
構えをゆったりしていくと、見える物が見える、四方の出来事や環境をキャッチできる、
ゆとりのある心が生まれていきます
学校に行かない期間に焦りを感じる理由の一つは、
「勉強が遅れる」という不安です
不安は、恐怖や恐れを生み、よくありません
勉強だけが子どもの成長において重要な要素ではないのです
次の2つを子どもに身につけさせましょう
1. 自己肯定感の育成
学校に行けないことで、
罪悪感やコンプレックスを抱えてしまうのは子どもです
子どもが一番学校に行けないことを悩んでいます、辛いのです
学校に行くことは、最終的な目標とします
最終的に「学校に行かせます」
「学校に行くことだけがすべてではない」ことと矛盾してそうですが
そうではありません
今は行かなくてもいいのです
大人に任せておけばいいのです
子どもが心配することはありません
学校に行けないことで自己肯定感が下がっている場合は、
まず「自分は大切な存在である」
という感覚を取り戻すことです
家庭での活動でも
「できたこと」にフォーカスし、
小さな成功体験を積み重ねることで、
子ども自身が自信を持てるようになります
学校でなくてもよい安心感を持たせましょう
そのうちに、そのときがやってきます
2. 多様なスキルの発見
学校では見つけられなかった、子どもの素晴らしさを探究したり
新しいことに挑戦したりして可能性を広げさせましょう
難しい算数だけが学習ではありません
学校に行けない期間を活用して、「新しいスキルや興味を発見する機会にする」
こんなミッションはどうでしょう
例えば、絵を描く、楽器を習う、プログラミングを始めるなど、
学校以外での学びが子どもの可能性を広げることができます
可能性は無限大ですよね
親の役割:支えながら見守る
実際、親も辛いですよね
学校に行かない、行けない、行こうとしない子ども
どうなるのだろうと不安と心配で心がいっぱいになります
仕事をしていても気になって仕方がないし、もしも子どもだけ家において出勤するような環境だと
いても立ってもいられません
焦る気持ちでいっぱいになります
それが親です
親としてできることは
子どもが学校に行かない状況に対して感情的にならず、
難しいですが冷静に対応することです
1. 子どもの気持ちに寄り添う
「どうして学校に行きたくないの?」という質問を繰り返すのではなく、
「行きたくない理由がわからないのも普通だよ」
といった形で子どもの感情を受け入れることが重要です
子どの状況にもよりますが、安心させることが大切です
次に進むためにも、現状を安定させるためにも、
子どもにとって、どんな子どもにとっても
必要なことは「安定」です
2. 専門家に相談する
学校に行かない状況が長引く場合や、親だけでは解決が難しい場合は、
教育相談センターやカウンセラーに相談することを検討してください
日本は、正直いってこの点については、後進国ではないかと考えます
日本人は、誰にも話せ耐えきれずになって耐えきれずになってしまう
外国を見てください
映画でもドラマでもいい
カウンセリングを受けるシーンがあると思います
欧米では当たり前になっている他者への相談です
是非積極的に専門家の門をたたいてください
「もうひとつだな」と思った場合は、
また違うところにいってみましょう
専門家もカウンセラーも、自分に合う合わないがあります
きっと自分に合った専門家が見つかるはずです
3. 長い目で見守る
子どもの状況は、千差万別、十人十色、
同じ子や同じ状態はありません
同じ対応をとっても反応は違ってきます
最終目標の「学校に戻る」ことにも
時間がかかってしまいます
ゆっくりとドシッと構えて
「よし!」
焦ったところで成果は得られません
焦らず、子どもの成長を信じて見守ることで、
結果的に子どもの自立心や回復力が育まれることもあります
「急がば回れ」です
勉強より大切なこと
子どもの不登校の状況が、断続的なのか連続的なのか、
個別の対応が必要であるのは言うまでもありません
しかし、連続登校ではないと考えられますので、
一定の期間か、週一か週二か様々でしょう
学校に行けない期間において、
最も大切なのは子どもの心身の健康を守ることです
心と身体のバランスにおける健康を維持増進することです
それがメインです
勉強の遅れを気にするよりも、
子どもが安心して自分らしく過ごせる環境を整えることが、
結果的に勉強への意欲や学校生活への復帰につながっていきます
親としては、難しい事ですが
「勉強だけが人生の全てではない」
という大きな視点に立ち、
子どもを支える存在として柔軟に対応できなければいけません
その過程で子ども自身が少しずつ未来に向けて前進できるよう、
温かく見守り続けるのです
親とはつらいものですね
しかし、今日は明日に繋がっています
まだまだ来てもいない未来に不安を感じるよりも
まずは今日です
「明けない夜はない」
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