考えるより先に動いてしまって失敗をくり返すY君
お家の方は、本当に悩んでいた
Y君が2年生のころ、かなり大変だったようだ
学級は約20名の二クラス、余裕のある児童数である
落ち着かない
じっとしていられない
「注意欠陥多動性障害」
である
こだわりもあり、同じ帽子を常に被っている
学習は、算数でも理解力があり、やり方などを
友達に説明できる
いつもニコニコしていて明るい
問題は、注意力である
悪気は全くないが、少し善し悪しを考えれば分かることだが
「少し立ち止まって考えてみる」ことを飛ばしてしまうのである
しかし、2年生のころと比べると落ち着いては来ている
事件は2つあった
1つ目の事件は、
学校に事務職員が中心になって、学用品の販売部を校内に設置していた
そこから商品を持っていったというのだ
本人から聞き取ってみると事実であることを認めた
当時人気のあった消しゴムである
しかも、隠れて持っていったというのではなく
周りの目が合っても、すっと持っていったという
本人は「欲しい」という気持ちはあったのだろうが
「お金も払わず持っていってはいけない」という気持ちが働く前に
手が先に出ている
ついつい持って行ってしまったのだ
この事件からもY君の特質が表れている
2つ目に事件は、
理科室からマッチなどを持ち出していたことだ
放課後に理科室に忍び込んで持ち出していた
マッチなどは、鍵のかかる理科準備室に入れておくべきで、
管理の不備ではある
Y君はマッチをたくさん持ち出して、学校に敷地外で火遊びをしていた
これは、学校に隣接している公民館・図書館から連絡が入った
これらのことも、
火遊びすればどうなるかなど先のことを考えたり、
理科室からマッチを持ち出したりすることが
どんなことになるか、
立ち止まって考えることが十分にできない
本人は悪気はないが、注意力に十分ではないく、
間違いを犯してしまう
保護者も十分に理解しているからこそ、将来を心配するのである
来年度から中学生である
「注意欠陥多動性障害」を周りが理解をし、起こりうることを予測して
対応し、もしも様々な出来事に遭遇した場合には、本人の自己肯定感を
低下させることのないようにすること、配慮することが、彼の
成長を促していく非常に大切なことである
これは、本人に指導したり改善を促したりする以上に、
周りの姿勢が問われているのである
周りの受け止め方がY君を成長させ、明るい未来を作りあげるということを
肝に銘じておきたい