「ひきこもり」はどうなってしまうのか、現状は?

ひきこもりはどうなってしまうのか
現状は?
不登校の子どもは、必ず将来、社会に復帰するのか、
そこが一番気になります

学校に戻るのでしょうか
中学校に通うようになるのでしょうか
高校に行くのでしょうか
大学に通うのでしょうか
就職するのでしょうか

不登校は、将来が見通せないだけに、
「ひきこもりになってしまうのでは」
このことが、親にとって一番心配なことではないでしょうか
不安で夜も寝られないほどの恐怖に
陥ってってしまうことがあるかも知れません

見えない将来をどのように見ていくのかが最も大切です
今回のコラムでは、ひきこもりをどのように捉えていくのかについて
考えていきます

現状は?

「ひきこもり」という言葉が世に知られるようになって約20年を経過しています
ひきこもりのイメージは、どうでしょう?
あなたはどのように感じますか
「暗い感じ、部屋から出てこない、ずっとゲームをしている、昼夜逆転
部屋が散らかっている、家族とも出会わない」
など、ネガテイブなイメージが頭に浮かんでくるのではないでしょうか
また、「甘えている」「怠けている」こんなことも
ひきこもりに対する誤解や偏見、先入観による報道もありました

現在「ひきこもり」の平均年齢は30代が約36%で最も多く
次に40代が27%になっています
ひきこもりの期間は、平均9年です
4分の1以上が2回以上の経験があります

ひきこもりは高年齢化、長期化する傾向にあります

ひきこもりの定義

厚生労働省の定義では
「様々な要因の結果として、
社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職員を含む就労、家庭外での交友)
を回避し、原則的に6か月以上にわたって概ね家庭に
とどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)」
となっています

また、2015年内閣府の調査では、ひきこもり状態の人のうち、
9割は自宅や部屋に閉じこもっているわけではなくて、
趣味やコンビニには出かけるという結果が出ています

ひきこもりとは

ひきこもりは、ずっと連続してひきこもっているのではなく、
社会と繋がったり、離れたりをくり返すことがあります
ひきこもりの人は、決して自室や家から一歩も出ず誰とも話さない人ではない
という調査結果が出ています

問題は、本人の行きづらさや孤独や孤立です
私たちは、「ひきこもり」を外出可能か不可能か、
対人関係があるのかないのかで判断してしまうところがありますが、
そうではないようです
「生きづらさを抱え、生きることや未来への希望を失っている人」
と捉える必要があり、問題の本質を見誤らないようにすることで、
身近にいる私たちのする支援が正しい方向の支援であり理解に繋がると考えられます

生きづらさの理由

ひきこもりの人が抱えている生きづらさに理解を深めることが必要です
理由として挙げられているもの、以下
(重複回答可能)

自己否定感
こころの不調・病気・障害
経済不安
対人恐怖

未だにひきこもりは、「外出できず人とのコミュニケーションが取れない人」
というイメージが強いです
現在ひきこもっている人のうち
「毎日誰かと話している」人は、72%になるといいます
家族を含め誰かと会話していることも、ひきこもりは誰ともしゃべらないという
イメージを覆すものです

内閣府の調査

ひきこもりの国の調査は、若年層に限られていました
ひきこもりの高年齢化が問題となり、内閣府は40歳から64歳まで実態調査が
行われるようになりました

調査結果では、全国で61万3000人の中高齢者のひきこもりがいることが分かりました
若者が多いとは言えない状況です
男女比は、内閣府の調査で、男性が76.6%、女性が23.4%と
男性が多いことが分かります

違う調査では、女子が多い結果もありますが、
これまでのひきこもりといえば「若い男性」というイメージが多かったと思います
実際には、女性のひきこもり、なかには主婦という人もいます
そして、年々高齢化も進んでいます

ひきこもり気持ち

ひきこもりを続けている人は、
「甘えている」「怠けている」「楽をしている」
と言われることがあります
でも、「ひきこもることは、つらい」と本人は言います
ひきこもることで楽になり救われるわけではないのです
「ひきこもりは楽をしている」というイメージではないのです

当事者の多くは
「このままではいけない」
「何とかしなければいけない」
「どうしてこんなことになってしまったの?」
そんな思いで自分を責め続けながら生きているのです

ひきこもりの原因・きっかけは(多いもの順)
・こころの不調、病気、障害
・家族との関係
・不登校
・からだの不調、病気、障害
・友人、知人との関係
・職場でも人間関係

これらの要因の3つ以上あると答える人が
68%います

そして、ひきこもり期間が長くなればなるほど
「いじめ」「不登校」「家族との関係」
の数値が高くなり、ひきこもりの長くなる要因になっています

また、
かなり高い割合の人が「働きたい」と答えています
なかなか就労できない原因に
自信がないこと、こころの不調、身体の不調、望む勤務条件の仕事がない
などを挙げています

ひきこもっている人の多くは、決して
働きたくない、楽したいと思っていないのです
働けない自分を責めながら、何とかみんなと同じようにやりたい働きたい
社会に参加したいと思っているのです

ひきこもりはどうなってしまうのか
まとめ

まとめ

不登校に関わって、「ひきこもり」は大きな問題です
冒頭でも述べたように、「心配」なのです
ずっと学校に行かないで、就職もしないで、このまま家にいるのでないか、と

しかし、ここまで見てきたように、「不登校」と「ひきこもり」は、
同じではない、

ひきこもりの原因に不登校はなるけれども、不登校の延長線上にひきこもりはない
不登校を続けていくことで、ひきこもりに移行するのではない

私たちは、現実ではないイメージを持って「ひきこもり」を見ています
正しく理解すること、何事にも大切であることを
教えてくれています

「ひきこもりになってしまうのではないか」
この思いがすでに、違うんだよと、

私たちは思い込みではない、科学的な根拠を持って
判断していくことができるかどうかを、
これから問われているようですね

厚生労働省「ひきこもり」
メンタルオフィスKaze プロフィール
28126321_s

和歌山県御坊市藤田町吉田877-5
月曜日~金曜日
9:00~17:00

メンタルオフィスKaze
PAGE TOP