4ねんせいになったF君は、小柄で大きな目をした少年だった
F君の課題は、遅刻だった
年間100に迫ろうかという遅刻数だ
4年生になっても遅刻ではじまっている
家族は、母親と年の離れた姉がいた
勉強も遅刻が多く身が入っていないため苦手だ
では、学習能力が無いのかというとそうではない
能力を生かせていないのだ
子どもは、能力があっても様々な事情で生かせないことは多く見られる
人間の能力は非常に深いものである
テストでは簡単には測れない
F君の課題は「基本的な生活習慣」である
時計が生活の中に生かされていない
時間を意識しないで生活している
私たちの社会は、時間によって動いている
子どもの間に生活習慣を身につけていくことが非常に大事だ
学習にも影響を強く及ぼしてしまう
母親は、子どもの生活に対して指導能力は十分の発揮できない
教育力は弱かった
私は、F君の「生活習慣の確立」をめざすことにした
まずは、F君と毎日話す時間を取ることにした
一日の中で、子どもと一対一で話をする時間を取ることは、
学校に中では難しい課題だ
子どもの休み時間しかないからだ
子どもも休み時間は遊びたい時間だ
1時間目の休み時間に、F君と話をすることにした
子どもと話をすることは、非常に効果がある
何でもよい、子どもと話をすることはいいことなのだ
では、どんな話をするのか
課題は「生活習慣の確立」である
ノートを用意する
毎日、昨日の生活を振り返る
「帰って何をしたの?」
「それは、何時だった?」
「ご飯を食べたのは何時?何を食べたの?」
「ご飯を食べてからは、何してたの?」
「寝たのは、何時ごろ?」
こんな話をしながらF君といろんな話をする時間を取る
それも、毎日、、、
はじめは答えられないF君も、次第にスムーズに答えられるようになっていく
自分でどんな生活をしているのか、分かっていないのだ
時間も意識に無い
それが少しずつ答えられると言うことは、
自然に意識し頭に入っていくということだ
こうなっていくと、社会で生きていくために必要な
生活習慣が少しずつ身に付いていく
子どもと話をすることは、とても良いこと
一番大切なことといっていい
それだけ、何よりもいい
子どもとの人間関係も深まっていくのは当然の結果
F君の遅刻は少なくなっていった