不登校甘やかされ型が原因?甘やかされ型の過保護とその影響:不登校の背景
2024.07.15
はじめに
不登校の問題が社会的に大きな問題となり、甘やかされ型の過保護が注目されています
毎年のように増え続けている現状で、何が子どもたちを学校から遠ざけているのか、
学校や家庭環境、様々な人との関わりの中で
個々の子どもがどのような影響を受けているのか、深く探っていくことが必要です
その中でも、家庭環境や子育ての問題を紐解いてみたいと思います
特に注目されるのが「甘やかされ型」の過保護が原因となるケースです
子どもは生まれたときから家庭環境に影響を受けて育ちます
家庭にいる大人(親)は、そんな関わりを子ども持っていくのか、子育ても仕方はどうか、
子どもの特質はどうか、与える影響は非常に大きいと言えます
「甘やかされ型」
このタイプの不登校は、家庭環境と親と子どもの関係が成長を左右することから、
その根本的な原因を理解し、適切な対策を講じることが求められます
ここでは、甘やかされ型の過保護が不登校に及ぼす影響について考察し、
コミュニケーション能力、自尊心、わがままなどの子どもの性格形成に
どのように関与しているかを探ります
甘やかされ型の過保護とは
甘やかされ型の過保護とは、親が子供に対して過剰に保護し、
何でも親が代わりにやってしまう状態を指します
親が子どもに対して行う行動、関わりが親としてやるべきこととして理解していますが、
親自身も子どもに依存している、相互依存の関係についても課題として考える必要があります
甘やかされ型の過保護は、親としての自立、親としての成長が、
子どもとの関係において必要な要素となります
甘やかすのは誰か、過保護にして自覚すること尾が大切になります自覚することが大切になります
「自覚」によって、親自身も成長の過程を歩んでいくことになり、同時に子どもの成長へと繋がっていくのです
子どもの成長において、「甘やかされ型」「過保護」は、
特に重要な自立心や責任感を育む機会を奪うことになります
親が子供の全ての要求を受け入れ、問題解決を親が行うことで、
子供は自ら困難に立ち向かう力を身につけることができません。
コミュニケーション能力の欠如
コミュニケーション能力は、子どもにとって大切なスキルです
学校では、友だちと変わりながら学習や活動を行っていきます
学習しながら関わる、関わりながら学習する
このことによって、子どもは、人と人との関わり方を学び、他人の気持ちや協力して
ものごとを進めていくことを学んでいきます
「甘やかされ型」「過保護」は、子どものコミュニケーション能力にも深刻な影響を与えます
甘やかされ型過保護の場合、家庭内で親が子どものすべてのニーズを満たすと、子どもは、
何もする必要がなく「やる気」も希薄になっていきます
子どもは、人との関わりを積極的に持とうとする意欲を無くしていきます
同時に人との対話や関わりを経験する機会が減少します
この結果、子どもは学校や社会で他人と円滑にコミュニケーションを取ることが難しくなります
対話の機会の欠如: 家庭内での過保護が原因で、子供は自分の意見を述べたり、他人の意見を聞いたり する機会が少なくなります
問題解決能力の低下: 自分で問題を解決する経験がないため、学校や社会で困難に直面したときに適切な対応ができません。
自尊心の低下
子どもにとって「自尊心」は、自分や他を大切にすることを感じる非常に大切な感情です
「自尊心が低下」すること以前に、子どもに自尊心を身につけさせることが課題です
自分を大切にし、同じように他も大切だという意識、身につけさせたい意識です
過保護な環境で育った子どもは、自尊心を持つことが難しくなります
親が常に介入し、子どもの代わりに問題を解決することで、
子どもは自分自身の能力に自信を持つことができません
多くの課題に取り組み、もちろん失敗することもあるでしょう
その中で成功体験をし自信も身につけていきます
甘やかされたり過保護であったり、このような環境で育つと、
自己評価が低くなり、様々な課題に挑戦する意欲も低下します
「自尊心」を身につけさせるためには、自身を持たせることが重要です
成功体験の欠如: 自分で何かを成し遂げる経験がないため、自分の能力に自信を持てません
他人依存: 常に他人の助けを必要とすることで、自分の価値を見出すことができなくなります
わがままの形成
「わがまま」が子どもに形成されると、子どもの性格に影響が出てます
成長に必要な力を獲得していくためには、子どもが「わがまま」担ってしまう状態を避けることが望まれます
なぜよくないのか?
自分が気に入らないことはしない、自分勝手、自分中心などが考えられ、
子どもにつけたい力として、社会性が挙げられますが、
「わがまま」な特質を持っていると難しくなります
甘やかされ型の過保護は、子どものわがままを助長することになります
親が子どもの全ての要求を無条件で受け入れることで、
子どもは自分の欲求が常に満たされるものだと誤解します
この結果、子どもは自己中心的になり、他人の立場や感情を考慮することができなくなります
自分の欲求に対して我慢強く辛抱できなくなってしまいます
自制心の欠如: 自分の欲求をコントロールすることを学ばないため、自己中心的な行動が増えます。
他人への配慮の欠如: 自分の要求が常に最優先されるため、他人の気持ちや意見を尊重することが難しくなります。
不登校の具体的なケース「甘やかされ型」
子育ては、子どもの特質にも左右されながら、性格や行動など子どもの人格形成に大きな影響力を持っていることは誰もが異論を唱えないと考えます
もちろん不登校の原因を「子育て」がすべて責任を負っているわけではないことを付け加えながら
不登校と「子育て」とを関連させて考えることが親としてできることです
間違っても、「他」、学校関係者や関連機関が、
親の「子育て」をとやかく言及することは避けるべきです
関係機関、親は、それぞれが自分を主語として、各自の振り返りをすべきです
他の責任にするのではなく、自らできることを真摯に考え協力して子どもをファーストにして
取り組んでいきたいです
責任の押し付け合いをしないと言うことです
「子育て」「子ども自身」が原因として考えられるのは一部のことです
改めて「甘やかされ型」の影響です
不登校の具体的なケースを考えると、甘やかされ型の過保護がどのように影響するかが明確になります
例えば、家庭で過保護に育てられた子どもが学校で友達とトラブルを起こし、その結果、学校に行きたくなくなるケースがあります
親が子供の要求を全て受け入れ、学校に行かなくても良いと許可してしまうことで、
子どもはますます学校に戻ることが難しくなります。
解決へのアプローチ
不登校には様々なケースがあります
多くの要因が絡み合って複雑です
「甘やかされ型」の過保護による不登校を解決するためには、もちろん家庭環境の改善が必要です
親が過保護をやめ、子どもが自立する機会を提供することが重要です
また、コミュニケーション能力や自尊心を育むためのサポートを行い、
子供が自己中心的な行動を改めるよう指導することも必要です
自立支援: 子どもが自分で問題を解決する経験を積む機会を提供する
コミュニケーションの強化: 家庭内での対話を増やし、子どもが自分の意見を述べる機会を作る
成功体験の提供: 小さな成功体験を積み重ねることで、自尊心を育む
親の意識1
親が子どもを甘やかす理由
親が子どもを甘やかす行動には、さまざまな理由が背景にあります
親の愛情や心配、社会的な影響、個々の心理的要因など、さまざまな要因が組み合わさって、子どもを甘やかす行動を引き起こします
この項では、親が子どもを甘やかす主な理由について考えてみましょう
1. 子どもへの深い愛情と保護本能
親が子どもを甘やかす主な理由の一つは、深い愛情と保護本能です
親は子どもを大切に思い、できる限りの幸福を与えたいと考えます
そのため、子どもが望むものを与えたり、
困難や苦痛から守りたいという思いが強くなることがあります
例えば、子どもが泣いたり、困ったりしているときに、親はその状況を解消しようとします
子どもが欲しいと言ったものをすぐに買い与えたり、子どもの要求を無条件で受け入れることは、
親が子どもを安心させ、幸せにしたいと考える自然な反応です
このような行動は、親の愛情の表れであり、
子どもを傷つけたくないという保護本能から来ています
2. 自分の経験からの反映
親が自分の子ども時代に経験したことが、子育ての方法に影響を与えることがあります
例えば、親自身が厳しく育てられた場合、自分の子どもには同じような苦労をさせたくないと考え、
逆に甘やかすことがあります
厳しい規則や制限があったために感じた不満やストレスを、
自分の子どもには味わわせたくないという思いが、
甘やかす行動につながることがあるのです
一方で、親が自身の子ども時代に満たされなかった欲求や願望を、
自分の子どもを通じて満たそうとする場合もあります
親が欲しかったものや体験を、子どもに与えることで、
自分自身の心の穴を埋めようとすることがあります
これもまた、親が子どもを甘やかす理由の一つです
3. 社会的なプレッシャーと比較
現代社会では、親が他の家族と自分の子どもを比較することが多くあります
周囲の家族や友人が子どもに対して行っていることを見て、
自分も同じようにしなければならないという
プレッシャーを感じることがあります
このような社会的なプレッシャーは、
親が子どもを甘やかす原因となることがあります
例えば、他の親が最新のテクノロジーを子どもに与えたり、
多くの習い事をさせているのを見て、自分の子どもにも同じことをさせなければならないと
感じることがあります
これにより、親は子どもを甘やかすような行動をとり、子どもの欲求を満たすために、
過度な物質的な提供や過保護な行動を取ることがあります
4. 親自身の不安や罪悪感
親が子どもを甘やかす背景には、親自身の不安や罪悪感も影響しています
特に、共働き家庭やシングルペアレントの家庭では、
親が忙しくて子どもとの時間を十分に取れない場合、
子どもに対して罪悪感を感じることがあります
このような場合、親は子どもに贅沢をさせたり、望むものを与えることで、
その罪悪感を埋めようとすることがあります
また、親自身が不安を感じている場合、例えば、社会的な不安や将来への不安があると、
子どもを保護し過ぎる傾向が出ることがあります
このような場合、子どもが安心して成長できるように、
過度に保護することで、子どもを甘やかすことになります
5. 子どもの抵抗を避けるため
子どもが反抗的な態度を示したり、強く要求する場合、
親はその抵抗を避けるために甘やかすことがあります
子どもが泣いたり怒ったりするのを見たくない、
またはその状況を迅速に解決したいという思いから、
子どもの要求を受け入れることがあります
例えば、スーパーマーケットで子どもが欲しいおもちゃを欲しがり、
泣き叫ぶ場面では、親は他の客の目や騒ぎを避けたいと考え、
子どもの要求を受け入れることがあります
このような状況が繰り返されることで、
親は子どもを甘やかすことが常態化してしまうことがあります
6. 子どもとの良好な関係を保ちたいという願い
親は子どもとの良好な関係を築きたいと考えています
そのため、子どもが望むことをできるだけ叶え、
子どもが満足し、親に対して感謝や愛情を感じてくれることを望むことがあります
親は、子どもとの関係が悪化することを避けたいと考え、
子どもの要求を受け入れることが多くなります
特に、思春期や反抗期の子どもとの関係が難しいと感じる場合、
親は子どもを甘やかすことで、摩擦を避けようとすることがあります
これにより、一時的には関係が円滑に見えるかもしれませんが、
長期的には子どもの自立心や責任感の発達に影響を与える可能性があります
親の意識2
親が子どもを過保護に育てる理由
親が子どもを過保護に育てる行動は、多くの家庭で見られる現象です
過保護とは、子どもの安全や幸福を確保しようとするあまり、
必要以上に子どもを守り、介入することです
過保護に育てられた子どもは、自己決定や問題解決の能力が未発達になり、
長期的には自立や社会適応に困難を抱えることがあります
この項では、親が子どもを過保護に育てる主な理由について考えてみましょう
1. 深い愛情と心配
親が子どもを過保護に育てる最も基本的な理由の一つは、
子どもに対する深い愛情と心配です
親は、子どもが危険や苦労を経験することを避けたいと考えます
子どもが幸せで安全な生活を送ることを望むため、
親はあらゆる困難や危険から子どもを守ろうとします
例えば、親は子どもが転んで怪我をしないように、
常に見守ったり、危険な状況に立ち向かう機会を制限することがあります
これは、親が子どもの安全を第一に考えている証拠であり、愛情の表れでもあります
しかし、このような過度の保護が続くと、子どもは自分でリスクを評価したり、
問題を解決する能力を身につける機会を失うことになります
2. 現代社会の不安要素
現代社会には、多くの不安要素が存在します
ニュースで報道される犯罪や事故、自然災害などの情報は、
親に対して子どもの安全に対する強い不安を抱かせます
これにより、親は子どもを過保護に育てる傾向が強まることがあります
例えば、子どもが外で遊ぶことを禁止したり、
学校まで送り迎えをすることが一般的になっている背景には、
親が子どもを危険から守りたいという思いがあります
社会の不安要素が増えるにつれて、親は子どもを外部の危険から守るために、
過度に保護する行動をとるようになります
3. 競争社会のプレッシャー
現代は競争社会であり、子どもが成功するためには高い学力やスキルが求められます
このような競争社会のプレッシャーは、親が子どもを過保護に育てる一因となります
親は子どもが成功するために、最高の環境を提供しようと考え、
勉強や習い事のスケジュールを細かく管理したり、
失敗を避けるために過度に介入することがあります
例えば、親が子どもの宿題を手伝いすぎたり、
テストのために家庭教師を雇ったりすることは、
子どもが自分の力で学ぶ機会を奪うことになります
親は子どもが競争で勝ち抜くために最善を尽くそうとしますが、
過度な介入は逆に子どもの自主性や自己管理能力を削ぐ結果となることがあります
4. 親自身の不安やコントロール欲求
親が子どもを過保護に育てる背景には、
親自身の不安やコントロール欲求も関係しています
親が自分の生活や環境に対して不安を感じている場合、
その不安を子どもに対する過度な保護として表現することがあります
例えば、親が自分の人生で感じている不確実性やストレスを、
子どもを厳しく管理することで埋め合わせようとすることがあります
また、親がコントロール欲求を持っている場合、
子どもに対して過度な管理や指示を行うことで、
自己の不安を軽減しようとすることがあります
子どもを過保護に育てることで、親は自分が状況を支配しているという感覚を
得ることができますが、それが子どもの成長に悪影響を与える可能性があります
5. 社会的比較と競争意識
他の家族や親と自分の育児方法を比較することも、
親が子どもを過保護に育てる要因の一つです
親は他の子どもと自分の子どもを比較し、自分の子どもが遅れていると感じた場合、
過度に介入してしまうことがあります
例えば、他の子どもが塾や特別なプログラムに参加しているのを見て、
自分の子どもにも同じことをさせなければならないと感じることがあります
このような社会的比較は、親が子どもを過保護に育てるプレッシャーを増大させます
親は自分の子どもが成功するために、あらゆる手段を講じようとし、
結果として過度な介入や管理を行うことになります
6. 子どもの抵抗や反抗を避けるため
子どもが反抗的な態度を示すことを避けたいと考える親も、
過保護に育てる傾向があります
親は子どもとの衝突を避け、家族内の平和を保つために、
子どもの要求をすべて受け入れることがあります
これは、親が子どもに対して甘くなりすぎることを意味し、
子どもが自分で問題を解決する力を失うことにつながります。
親は子どもに対して過度に甘くなり、要求をすべて受け入れることで、
子どもが自立するために必要な経験や教訓を学ぶ機会を逃してしまうことがあります
長期的には、子どもが自己管理能力や問題解決能力を発達させることが難しくなります
おわりに
不登校の問題は、多くの家庭で共通する課題です
子育てにおいて、大変心配な問題です
学校に元気に行ってくれることが、親の最大の願いでしょう
しかし、全く何も波風が立たず、順風満帆にいく子育てはないといっても言い過ぎではないでしょう
多くの親は、一度は子どもが「学校に行きたくない」に類似した経験をしています
そこには、友だちのこと、勉強のこと、学級のこと、先生のこと様々でしょう
まずは、親としての自分を見つめ直してみる
親は、人間として生まれて生きてきて、一生に1回の経験でしかありません
ベテランの親はいないのです
そのことを踏まえて、、、
甘やかされ型の過保護が原因となる場合、親としての役割を見直し、子どもの自立を促すことが重要です
コミュニケーション能力や自尊心を育て、わがままな行動を改めさせることで、子どもが学校生活を楽しむことができるよう支援しましょう
家庭と学校、そして社会が一体となって、子どもの健全な成長をサポートすることが求められます
手を携えていきたいですね
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